2019MICEで石川県ににぎわい呼び込む

■執筆者 JEDIS北陸地域本部副本部長 小久保一之 ((株)ケィ・シィ・エス)

■執筆日時 2019年6月7日

弊社((株)ケィ・シィ・エス:KCS)は、金沢経済界が地域活性化の新たな切り口として誘致推進に力を入れたMICEの受け皿として誕生し、昨年設立30年の節目を迎えました。

近年、石川県内で開かれるMICEは、金沢市を中心に年間約400件近くに上ります。
(財)金沢コンベンションビューローの調べによると、統計を取り始めた平成6年度219件で、16年度に324件と300件台に乗って以来、安定した数字を持続しています。
一方、参加者数も当初の8万人前後から、北陸新幹線金沢開業年の27年度には約15万人と過去最多を記録、28年度が約13万人、29年度が約11万人と、10万人の大台超えが続いています。国際会議が増えているのも特徴で、6年度の11件から29年度は54件を数えました。

その縁の下の力持ちとして、会場探しから講師の選定、開催当日の運営管理、参加者への案内まで全般をフォローし信頼を築いてきました。
全国規模の会議などでは、石川の個性である伝統文化・芸能の体験や、アフターコンベンションの充実が、主催者、参加者などから、「次回も石川県で開きたい」「今度はプライベートで行きたい」という高い満足度につながっています。

30年にわたってMICEをサポートするなかで、新たなライフスタイルを地元に定着させる役割を果たしたのが、格式ある欧米式の晩餐会で、タキシードやドレスといった正装、フルコース料理のテーブルマナーの普及、晩餐会にふさわしいテーブルコーディネートを手がけました。

金沢港に寄港するクルーズ船の歓送迎イベントや、観光で話題の施設や注目のテーマを選び、旅行商品として造成する業務も行っており、企業や団体の研修旅行や慰安旅行にも利用されています。

不特定多数の人が訪れるイベントや展示会、コンサート、スポーツ大会では、観客や入場者の誘導、安全の確保を、主催者や警備関係者らと綿密に計画を練り万全を期しています。

コンサートではミュージシャンらが所属する事務所と出演交渉にあたります。この時、先方が重視するのは地元プロモーターの信頼度であり、これまで築き上げてきた実績が一番の判断材料で、KCSでは主催者と二人三脚の体制で、成功に導いています。

今や城下町金沢の秋の風物詩ともなった「金沢マラソン」でも、毎回スタートやゴール会場、コース沿道の設営をはじめ、セレモニー関係の運営など、ハード・ソフト両面で大会運営を担っています。

先日約42万人の観客を集めた「第68回金沢百万石まつり」では、今年も呼び物の百万石行列が金沢城に入る「入城祝祭」を担当し、加賀藩祖前田利家がつくり上げた“かぶきもの”のきらびやかで威風堂々の演出ぶりで観衆を沸かせました。
また、祭りを盛り上げた催事「盆正月」では、来場者に加賀藩時代をしのばせる賑わいを印象づけました。

今後、金沢港クルーズターミナルビル新築や金沢城鼠多門・橋復元整備、東京国立近代美術館工芸館移転など、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて石川では様々なプロジェクトが進んでいます。さらに23年の北陸新幹線敦賀開業は「第二の開業」と言えます。
「令和」を迎え、今後もMICEで関連業界およびふるさとの発展に寄与してまいりたいと思います。

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金沢市で行なわれた第63回全日本広告連盟金沢大会での記念講演(2015年)
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金沢市内のホテルでサッチャー英国元首相を迎えて開かれた歓迎晩餐会(1998年)
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国内外から約13000人のランナーが参加した金沢マラソン(2018年)
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金沢城公園三の丸広場の中を進む百万石行列の入城祝祭(2018年)