イベントとボランティア

■執筆者  岩堂仁志

■執筆日時 2019年2月17日

2018年度より新たに中国地域本部の本部長を仰せつかっております岩堂と申します。
さて2018年、西日本では「平成30年7月豪雨」による河川の氾濫や洪水、土砂災害などの被害が発生し岡山県でも、県内の風水害による被害としては戦後最悪とまで言われる事態となりました。これにより夏~冬にかけて各地で予定されていたイベントは中止が相次ぎ、現在もまだ例年の行事やイベントが行われていないところもあります。
これによりイベント業界は大打撃を受け、直接の被災地でない観光地にも影響がではじめ、観光客が前年比50%を割るなど2次被害、3次被害へと広がっていきました。
そのような中、仮設で対応できるイベントで使われる機材に注目が集まりその特性を生かし、特に大型扇風機やスポットクーラーなどは被災地からの要請により本来のイベントではない場所で活躍しました。しかしここで大きな問題が発生しましました。依頼主によって通常のレンタル費用をお支払いいただける場合と、依頼者によっては災害という特殊事情なので無償での提供をお願いされる事がありました。本来イベントの機材をレンタルする事で売り上げが成り立っているものを無償で提供となると赤字になるばかりか、従来のイベントへのレンタルができなくなってしまいます。しかしながら目の前には困っていらっしゃる方がたくさんおり、イベント会社を経営する立場としてボランティアを行うべきか、仕事を優先するべきか非常に悩みました。
地方都市の場合、イベントでレンタルできる機材の数量や性能にも限界があり、こんな時災害時における業界のネットワークがあり、機材の空き状態などの情報交換や連携ができればとも感じました。
またイベント企画会社ならではのノウハウを生かした支援をすることにより、運営においての危機管理対策にも役立つことが出来ました。イベントは華やかな部分だけではなく、生活を支える側面をも持っているとも感じました。
非日常を扱う業界だからこそ地に足をつけ、すべての人々が幸せになれるようなイベントを展開し夢を描き続けたいと思います。