地方からの声

■執筆者 中部地域副本部長 内宮 真一
■執筆日時 2009年12月16日
 
 昨年のトヨタショック以降中部地域は、派遣切りや解雇のニュースばかり
聞かれる街に変貌してしまいました。

 自分が、住んでいる街は、人口7万人の小さな町で、会社のある市もまた
15万人を少し切るほどの人口しかいません。

 両市ともトヨタ自動車のお膝元であり、税収の落ち込みによる公共施設利
用のイベントしかり、企業の販促イベントから福利厚生のイベントまでが影
響を受け、街全体が沈んだ状態にいます。

 そんな中、少しずつではありますが町の中から元気な声があがりはじめて
います。小さな町の小さな駅前の商店街で始まった街づくりワークショップ
から生まれたイベントが、ひと時ではありますが、沈んだ町の駅前に賑わい
を作りだし、駅前の各お店がたくさんの人たちで溢れ、みな笑顔で飲み、食
べている姿が印象的でした。

 このイベントは、市内の別の商店街にも波及し、日を改めて開催される予
定にもなっています。

 またこのワークショップからは、歓楽街の風俗店と商店街の交流を通じた
新たな活動が展開され、地域の防犯活動の先進事例になっています。

 この地域では、商工会議所を中心に、静岡市から始まった一店逸品運動の
活動も盛んに行われています。

 各個店から提案された逸品をみんなでわいわいがやがやとグループミーテ
ィングしながらそのもののネーミングから金額設定まで議論し、決定します。

 いろんな個店の人たちが集まっていますので、様々な意見が飛び交います。

 初めは、他人の商品に対して意見を言うというような雰囲気ではありませ
んが、その内慣れてくるとそれぞれが自分の思ったことを言えるようになっ
てきます。どちらかというと食べ物が多いので食べる楽しみも加わり、その
場も楽しい雰囲気に変わっていきます。

 この逸品も様々なイベントの中で紹介、PRされ市内外の人に伝わっていき
ます。

 商店街が独自に行うイベント、商工会議所や行政が主催して行うイベント
等で逸品をPRすることができるようにプロモーション展開されています。

 このように、少しずつではありますが、街から声があがるようになってき
て、今まで眠っていたような街が目覚め、そこに住んでいる人たちが目覚め
立ち上がることで復活が確かなものに変わっていくように感じます。

 町おこしは、人起こし。住んでいる人や働いている人たちが目覚めること
で少しずつ変化し、やがて大きな波となって街を動かしていく。

 イベントを通して課題解決のできるイベント業務管理者は、社会に貢献で
きる存在として活躍できる場を増やしていくと感じています。