中高年の経験とパワーを活かすイベントに乾杯。

■執筆者 間藤 芳樹
■執筆日時 2001年10月15日
 
この夏、三ヶ所でジャパンエキスポが開催されている。北九州市の「北九州博覧祭2001」山口県の「山口きらら博」福島県の「うつくしま未来博」である。これらの博覧会で共通して、感じられることは、地元をとても意識し、アットホームな雰囲気をかもしだしているとゆうことだ。たまたま縁あって、このうちの福島県「うつくしま未来博」に何度もいく機会にめぐまれたのだが、その中で、今後おおいに参考になる場面に出会った。
 うつくしま未来博は、森の中の博覧会と呼ばれているとおり、まさしく自然を生かした会場造りとなっている。自然の緑の中に、会場がうまくレイアウトされており、地形の高低差を生かして立体的な空間が演出されている。その上、自販機さえウッドラックで囲むなど、細かい配慮がされており、やさしさが会場をつつんでいる穏やかな博覧会だといえる。
 バリアフリーに配慮した、斜行リフトや、車椅子対応エスカレーター、水力エレベーターで観客は無理なく移動できるのだが、これらの運行管理業務をしているのが、サービススタッフと呼ばれている、地元の18歳から60歳代のメンバーである。従来の博覧会ではその多くが、都会の運営会社に委託され、スタッフもプロの若手に任される事がほとんどのケースであったが、そんなに華やかでない、教育を受けても、まだぎこちない地元の素人のサービススタッフはどうなのだろうか。
 Aさん(61歳)のケース・定年退職後、日々の生活にあきあきしてた頃、募集を知り、思い切って応募そして合格。斜行リフトの運行を担当しながら「お足元にご注意下さい、それでは上昇しまーす!」毎日が楽しくてしかたがない。立ち仕事なので一時間の交代勤務。ある日、Aさんはディレクターに直訴。「もっと、長時間勤務にしてほしい」と。多くのスタッフからも、同じような声が続出。なかでも、とりわけ意欲満々なのが中高年のスタッフ。
 博覧会とゆう非日常空間の中で、お客さまに身近に接し、サービスを提供し、常に安全管理に注意を払わねばならない緊張感とやりがい。長年の仕事を通じて得た人を見る視野も役立つこととなった。すでにはじまっている高齢化社会。イベントスタッフの見直し時期がもう来ているのかも知れない。
 この夏初めて、青森ねぶた祭りに行く機会を得た。今まで知っていることと言えば、「カラスハネト」って集団のご乱行をニュースで見るだけだったが、行って見てビックリ。なんと秩序正しい祭りか、それでいて祭りのエネルギーが損なわれないように、うまく工夫がされている。ねぶたに追いて、踊るハネト達。ラッサラッサの掛け声で踊る姿はまるでリオのカーニバルのようである。まるで、短い夏を惜しむがごとく、盛り上がる。そして、これらの集団をうまく、コントロールしているのが、会場統制係りとゆう、おじさん達である。自分達も踊りのハネトの正衣装に身をつつみながらも、ロープでうまく集団を操っていく。まさしく、中高年大活躍である。そして、何十万の人が去った、ねぶた通り。おどろくことにゴミひとつ落ちていない。そこにはきっと、イベントに参加する、世代を越えたコミニュケーションがあると感じたのは、まちがいだろうか。参加するとゆうことのほんとの意味を、もっと考えて、我々は対応していかないと、活きたイベントは創っていけないのではと不安になる、今日この頃である。