「2001 食博覧会・大阪を終えて」

■執筆者 真木勝次
■執筆日時 2001年5月27日
 
本年のゴールデンウィーク4月27日から5月6日までの10日間、インテックス大阪にて第5回目の「食博覧会・大阪」が65万人余りの動員を記録して成功裏のうちに終了致しました。

 「食博覧会」というイベントタイトルに関西地区以外の方は殆どピンとこないかもしれませんが、「食の街大阪にふさわしいイベントを」という事で民間が中心となって1985年の第1回以降、4年毎に開催され本年で5回目を数えたあらゆる食に関する大型の食イベントです。その規模はインテックス大阪の全館、敷地全てを使用するもので、まさに東の「東京モーターショー」西の「食博覧会」とも言える日本の代表的なイベントです。

 縁があって第4回、そして今回とこのイベントに参加させて頂きました。そして、前回の時も記憶にはあるのですが、今回、より強く感じたのが主催者の非常にテンションの高い意気込みと来場者の熱気の凄さでした。主催者は4年に1回という事で、オリンピックを目指す競技者の如く、内容の詰め、主催者間の連携の強化、事業的収支の確認、来場者へのホスピタリティ、そして、社会全体へのイベントの印象度の訴え、を長い時間かけて企画立案、検討、検証、そして制作、のステップを歩み続けて本番を迎えるのです。

 一方、来場者は、「食博覧会」の告知、ニュース、プレイベントを目にする時から、期待感を募らせ、今度の「食博覧会」ではどんな企画を、どんな食を、どんなエンターテイメントを、そして、どんな物を持って帰るか、誰と行ってどんな風にゴールデンウィークを過ごすか、入場料に見合う内容かどうか、を検討して本番の会場へ来場するのです。

 本番の会場では、主催者の意気込みと、来場者の熱気との、まさに戦いです。会場内は広いメイン導線がぎっしりと人で埋まり、主催者側の提供する様々な商品・サービス・ホスピタリティに来場者が少しでも楽しもう、得をしようという自然な貪欲さが重なり合ってイベント全体の、まことに心地よい強烈な、そして愛すべき雰囲気を醸し出しています。

 イベントに携わって30年近くになるのですが、この種の雰囲気はいつも新鮮です。やっぱりイベントはこうでなくては、という気持ちを新たにさせてくれます。

 ここには提供する側と享受する側の全身全霊をぶつけ合う真剣勝負があるのです。まさに商売の原点、サービスの原点、そしてイベントの原点にも通じるハートの部分が脈々と波打っているのです。

 本年の「食博覧会・大阪」は終了致しました。次回は2005年、愛知万博の年に第6回が開催されます。

 「世界の博覧会」と「食の博覧会」が同時に日本で開催される事に今からもうドキドキです。