熊本地震からの復旧・復興状況

 JEDIS 九州 福田

「熊本は元気です!・・・言わないと前へ進めないのが真実です。

JEDIS メンバーをはじめ、震災コラムをご覧頂いているみなさまは、この言葉を参考にして、今後の災害に備えて頂きたいと思います。

 地震から4 ヶ月以上が過ぎ、避難者は1,000人を下回り、「いつの間にか?」世間の関心も失せて来ているように感じています。
 熊本地震の特徴として、よく「震度7が2回起きた」という言葉だけでイメージされがちですが、実際には「震度7が2回起きた」という事実の他、震度6と震度5が19回、震度1以上だと2,000回を越え、今までの地震の常識を覆す回数となっています。

 全国や世界各地からの支援は、素早く、力強いモノがありました。みなさま本当にありがとうございました。しかし、一方でボランティアの減少が早すぎたためか、片付けが手つかずの地域や家々がまだまだ沢山あります。
また、特徴的だったのはアジア各地(タイ、香港、台湾他)で展開された「くまモンのふるさとを救おう!」という動き。
くまモンがいなければ、誰も感心を寄せなかった熊本県ですので、まさに“くまモン効果”と言う感じです。

 震災復興と復旧では大きな違いがあり、国が行う支援は「震災前に戻す復旧止まり」で、「震災前を上回る復興」対策は皆無と言う感じです。
震災前に戻すのではなく、もっと良くならないとダメだと思いますので、熊本県知事が掲げている「創造的復興」という言葉に私自身勇気づけられています。
 各省庁が復興支援と言う名目で様々な事業を展開しています。
全国や世界各地で物産フェアや観光プロモーションなど様々なコンペを開催しています。
みなさま、県外から見ていると、仕事を無くした「被災地企業への特需」と見えているのではないでしょうか?
しかし、実際はどれも震災被害を受けている我々には一切関係なく「中央大手企業の震災特需」となっています。
被災地企業には1円も落ちて来ない事業であり、東北震災後も広告代理店や制作会社等が廃業したり、倒産したりしていった事を、国は学習していません。
地元企業とJV する。お金を落とすシステムとすべきです。

また、「モノを作る、商品を売る」という企業への支援は様々なモノあります。
工場などの再生に使えるグループ補助金などなど。
しかし、我々のような見せる商品も工場も無い業界は、支援が皆無です。
この点は、今後、放送・広告業界、そしてイベント業界でアプローチしておくべきだと感じました。

 今は、少しずつ仕事の件数も増えてきていますが、開催が県外へ移った大会や学会などは戻っても来ませんし、震災は忘れた頃にやってくるとも言います。
「まさか?
が来てしまうことを想定して日頃から備えておくことが必要だと実感しました。

前を向いて行くしかない。
周りへも鼓舞しながら・・・心から「熊本は元気です」と言える日まで・・・
それが真実です。