「人と人を繋ぐ」

■執筆者 飯田裕美

■執筆日時 2012年4月14日

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大分県でイベントに従事し早19年。この19年の間に大分県では様々なビッグイベントが開催されました。98年の国民文化祭を皮切りに、キリンカップ、ワールドカップ、緑化フェア、国民体育大会と、世界・全国規模のイベントがたて続きました。そのどれもに様々な形で関わることができ、貴重な経験を積んできました。

しかし、ここ数年は県を挙げての大型イベントの数は激減しています。

変わってよく見聞きするようになったのが、「講演会」「セミナー」など、生涯学習的分野でのイベント開催です。地元新聞では、毎日数件の開催告知や開催報告の記事が掲載されます。県内アチコチで日々講演会が開催されていました。私は、イベント制作の他に、広報誌の制作等も受け持っているのですが、大分県内の中小企業に取材に行くたびに、事業を独自の視点で改革しようとしている方、継承にあたり新風を吹かせている方、女性ならではの細やかさを持って前進している方…など、素晴らしい方たちと出会う幸運に恵まれます。その前向きで、果敢に取り組む姿は、広報誌の小さなスペースでだけの紹介で終わるには勿体ないと、常々感じていました。取材に行くと、私自身が非常にポジティブになり、笑顔で帰路に着くことが出来ていたからです。「今はまだ名もなき方々。でもこの人たちの話を沢山の人に聞いて欲しいなぁ。」という想いが強く湧き上がってきました。同時に「人」と「人」を繋ぐという、私が求めるイベントの原点を見つけた思いでした。 

そんな状況やオモイから開設したのが、2011年末に「地域密着型講師登録サイトGATE i」でした。大手の講師登録サイトでは網羅できない、地元に住み、地元で活躍しているあらゆるジャンルの兼業講師(本業は何かをしていて、講演活動も行っている方々)を中心に登録し、講師のプロダクション・プロモーション機能を保ちます。初めて講師となる方に関しては、講演の組み立て方、緩急の付け方、パワーポイントでのレジメの作り方などを指導します。主催者に対しては、開催までのスケジュールや準備物などを記したTODOリストを作成し、より潤滑に安心して開催日を迎えて頂きます。スケジュールが明確になる事からか、広報物の作成や看板の製作、司会者の手配、台本書きなどのご相談を受け、講師派遣以外の部分でも仕事に繋がっています。

「地域密着型講師登録サイトGATE i」は、2012年3月に経営革新計画にも承認され、順調な滑り出しを感じています。

数億円規模の大型イベントも多数経験しましたが、私には互いの顔を見ながら、悩み、喜び、楽しみながら、共に丁寧に築きあげていける、小規模イベントのディレクターの方がより向いているということもわかってきました。新たな分野の取り組みに試行錯誤の毎日ですが、登録講師陣と共に、成長していけたらと思っています。

どんなにIT技術が進化しても、FACE to FACEの場がなくなることは決してありません。IT化が進む現代こそ、唯一のFACE to FACEの広報手段である「イベント」の重要性も高まってくるのだと確信しています。

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