リレートーク

素敵な出逢いと魅力的な仲間がプロデューサーの財産〟

カテゴリー: リレートーク

■執筆者 梅戸 敦
■執筆日時 2002年9月15日
 
扉が開くと、目を輝かせた魅力的で個性的な四人がどこかうきうきと楽しげな表情で登場した。瞬間的にこのミーティングが期待以上のものになることを予感し、欧州から飛んできた甲斐があったと私は感じた。

  ビバリーヒルズのル・メリディアンホテルのミーティングルームでの打合せは心地よい興奮のなかで始まった。
 この企画打合せに集まったのは、私の信頼できるパートナーであり仲間でもあるプロデューサーのトロイ・アラン・バージェスとアシスタントのレイコ、そして今回のクリエイティブチームのディレクターである〝シルビア・ハッセイ〟とコンセプト・デザイナーでありアート・ディレクターの〝スティーブ・カーク〟、スティーブの弟の〝ティム・カーク〟、ライティング・コンサルタントの〝リチャード・グリーンバーグ〟、そして私と部下のプロデューサーの八人であった。デザイナーの〝マイケル・カリー〟とエンジニアの〝フランク・ウェイガンド〟は出張中とのことで、ドローイング作品での参加であった。
〝ナイス・トゥー・ミーチュー〟というお決まりの挨拶も、お互い直感的に信頼できる仲間であることを感じ、心から発した言葉であり熱い握手となった。
 最初の数分間でこのチームはいいものができそうだと感じる仲間は最高で、この四人はすぐに魅力的な仕事ができる仲間達と直感した。パートナーのトロイもそんな大切な仲間のひとりである。実績・実力ともに世界トップクラスの彼らであり、そのクオリティが世界最高であることは当然だが、重要なのは我々も含めてチームとしてみんなの波長が合い、同じ感性のもとにひとつのものを目指せるかということである。

 今回の打合せは、東京からの基本条件とひとつのテーマワードをもとに彼らなりに自由に魅惑的な企画を考えてもらい、そのアウトプットをもとに具体案を検討することであった。
 私の前にはまずマイケルがディレクションした一枚のドローイングが登場した。言葉だけで表現することは難しいが、一目で幻想的な夢の世界に引き込まれる誠に素晴らしいもので、それ自体が作品と呼べるものであった。もっともマイケルは、〝ライオン・キング〟や〝リトル・マーメイド〟、〝ソルトレイクシティ・オリンピック〟のキャラクターデザインを手がけた超一流であり、その素晴らしさは当然ではある。しかしなによりも感動的なのは、一枚のドローイングでデザインはもちろんのこと演出手法を含めたすべてのイメージが伝わってくることであった。文字主体の説明的な企画書など足元にも及ばない説得力ある作品に私は引き込まれてしまった。

 そのあとの打合せは全員がワクワクドキドキしながらこの企画が実現した姿を思い描きながら進行していった。
 訳あってこの企画は、その業務では実現することができなかった。しかし、魅力に溢れたチームでの魅惑的なこの企画は必ず実現させたいとみんなが今も考えている。
 感性を共有できる仲間達とチームを組み、それぞれが自らの魅力を発揮し増幅し合ってこそ最高のものが出来上がると私は信じている。そうして出来上がった内容は、多くの人々と感動を共有することができ、大成功の結果へと繋がることになる。
 具体的な内容とテーマワードをご紹介できないのが残念だが、ごく近い将来に驚きと感動をお届けできるはずなので、ご期待いただきたい。これをお読みになった方々が「ああ、このことだったのか。」と思い出される日を目指して、さらに仲間を集めて実現に向かっている。
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 その晩、トロイのコーディネートでMSAのトニーを加えてエキサイティングなハリウッドの夜を体験した。
 ステーキハウス〝マエストロ〟で絶品の巨大リブを不本意ながら半分以上残した後、クラブ〝ディープ〟の大音響に身を委ねていると、クラブの壁面のハーフミラーの向こう側に設えられた飾り窓風のダンスステージに、数ヶ月前に東京・大阪でともに仕事をしたダンサーのリサが登場し、妖艶で華麗なダンスパフォーマンスを始めた。場内ではリサと同じイベントのために来日したドミニクも遊びに来ていた。
 久々の仲間との再会に感激すると同時に、私の頭の中には次なる企画への意欲とアイデアが浮かび始めていた。

◆プロフィール
1958年生まれ。
 武蔵野美術大学卒業。
 情報通信企業のハウスデザイン会社の空間デザイナー、本社海外宣伝部を経て、1992年に株式会社博報堂入社。イベント・コンベンションのプロデューサーとして幅広く業務に携わる。
 現在、コンベンション事業局コンベンション一部、部長。