リレートーク

「MICEが誘発する地域イベントとその深化」~八王子の場合~

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■執筆者 公益社団法人八王子観光コンベンション協会 MICE推進課 湯村 亜衣子

■執筆日時 2019年7月8日

 八王子には2022年に、会議や講演、セミナー等利用者のニーズに応える複数の会議室に加え、延べ床面積2,500㎡規模の多摩地区では最大級となる展示ホールが完備される『産業交流拠点(仮称)』が完成予定です。

 私の勤務する(公社)八王子観光コンベンション協会は、上記施設の開業を見据え八王子観光協会が改組し2017年に誕生した新たな組織です。

 八王子には、高尾山をはじめ自然に恵まれた環境や伝統産業、歴史・文化、そして市内に21の大学などを有する学園都市として発展してきた最新のものづくりなどの特徴があり、様々な資源を活用したMICE誘致を目指して活動しています。

 そのなかのひとつの施策として、東京最大の農産地である八王子で採れる新鮮な食材と、伝統的な食文化を生かした八王子の食の魅力を内外に発信する『八王子フードフェスティバル』というイベントが2013年から継続して行われています。

 多くの交流人口を生み出すMICEをきっかけに “食”というキーワードを通じて地域の魅力を広く発信していく取り組みです。既にMICE誘致に成功した大会等では、この取り組みが先進的に生かされ、地元ならではの“食”のコーナーやお土産コーナーとして機能すると共に、MICE誘致に対する市民・事業者からの理解を深める機会ともなっています。

 また、今年度の大きなMICE開催ケース例では、8月に日本で初めて開催される『IFSCクライミング世界選手権2019八王子』において、世界各国から参加する選手や関係者、来場者へのおもてなし施策として、これまで毎年秋に開催されていた中心市街地を主とした市内の食べ歩きイベントが、主催者の協力のもと大会期間中に特別開催されるなど、MICE誘致が地域イベントを誘発する結果も生み出しています。また、このイベント自体の運営面においては、これまで市民のイベント参加を中心として企画されていたものが、海外からのMICE来訪者を意識することで、PR媒体の多言語対応をスタートさせると共に、イベント開催中の通訳配置を検討し始めるなど、既存イベントが深化するきっかけの一つともなっています。また、この大会においては、参加選手向けに市内の職人が手捺染で染め上げる大会オリジナルイラストを入れた風呂敷を特別なギフトとして準備しており、そのご縁をきっかけとして、八王子の産業を取り入れたMICE参加者向けツアー醸成を目指し、染工場見学プログラムを入れた試行的なツアーイベントを実施するなど、その土地ならではの体験やビジネス機会の創出という意味においても一つのMICEが非常に大きな広がりを見せています。

 八王子の、MICE事業はまだまだ駆け出しではありますが、細やかながら未来につながる新しい芽を大切に育みMICEシティと呼ばれるにふさわしいおもてなし都市として、今後も進化し続けます。

 

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