リレートーク

「JEDIS」13年の恩恵

カテゴリー: リレートーク

■執筆者 事務局長 酒井基喜
■執筆日時 2009年9月29日
 
JEDISに参加して早13年、事務局長を務めさせていただいて3年が経過した。

良く聞かれる質問、「何のためにやってるの?」「仕事はもらえる?」「そんなことやっていて会社は大丈夫?」そしてお決まりの「メリットは何?」この活動に関して様々な方からの私への問いかけである。

中でもやはりこのメリット、特に目先のメリットと考えれば当然受注に繋がるか否か、ということが判断基準となり、この問いへの答は「NO」と言わざるを得ない。実際、今までもNOと答えて「いやいや、じゃあそんな余裕はないですよ。」とか、ひとこと「あほくさ!」って呆れられたことも1度や2度ではなかった。

では一体何が約250名の正会員による活動の原動力になっているのか?

ここら辺で私なりの考察をしておきたいと思いキーボードをたたき始めた。

そもそも何故自分自身がこの活動に参加したか?

これは以前の私のリレートーク「イベントと私」(2007年12月18日執筆)にも書かせていただいたが、イベント業務管理者という資格制度に出会い「イベント」というそれまで探し求めていた私の職業領域を表現するのに最適なキーワードに出会って、もっとこの「イベント」という世界を知りたい。というのが当初の参加目的であった。

しかし、参加当初はJEDISの活動目的と私の参加目的とは大きくズレていたようだ。

実際に当時の私は今以上に無知で、世界はおろか日本の博覧会の歴史など、この資格制度の試験勉強を始めるまでは1985年の筑波の科学万博へは行ったことがある、といった程度のお寒いものであった。

だから最初所属した調査研究委員会の毎月の定例会議で議論されていることが何のための議論なのか全く理解できなかった。試験は通ったはずなのに・・・・である。

恐らくは当初JEDISとは、資格保持者が享受すべき権利と遂行すべき義務を模索するための議論をする場ではなかったのか?と今は思う。

ああ、ここは私の来るところではなかったのか?当初次第にその思いが募っていく。
ここで見切りを付けてしまっていたらそこまでで、資格そのものすら流していたのではないかと今にしてみれば思う。

しかし運良く、当時この調査研究委員会の委員長を務められていた間藤芳樹氏(現副会長)より議事の記録を命じられた。

今でこそ「運良く」などと言っていられるが、当時、製作図面は書けても、文章を書くなど大の苦手、しかもほぼ一方的な任命、断る余地もなく毎月、録音したテープを何度も聞いては文章化していく悪戦苦闘の日々が始まった。

この複数回反復されるこのヒアリングが私に貴重で膨大な情報を与えてくれた。苦しい日々ではあったがこの反復ヒアリングは私の低機能な脳に確実に情報を植え付けていくのに最も適した方法だったようだ。

そうしているうちに次第にこの活動の目的としているところなどもおぼろげながら見えてくる。

この議事録は毎月の運営幹事会で委員長が委員会の活動報告として提出するのだが、時には定例会の開催日と運営幹事会との間が3日程度しかない月もあり中2日でまとめなければならない状況も多々あったため、次第にスピードも要求され始めて益々文章力を鍛えるのに絶好の機会となっていった。

「人間って慣れるものなんだなぁ~。」ってつくづく思う。

この経験が今、事務局長として毎月の議事録作成にも役立っている。

更に調査研究委員会で作成していた当時のこの議事録、私は何となく義務感に駆られて全国にいるJEDIS会員の調査研究委員会のメンバーに向けて毎月一方的に配信した。当時はまだ今のようにPCが普及してはいないのでメールで一括配信ではなくFAXによる配信。営業目的のFAXと間違わないように個別の送付状も添えたので20~30名分ともなれば手間もかかった。

しかし、これを読んだ方々から色々な反応が返って来るようになった。
御礼もあればもちろんお叱りに近いものもあったが、ほとんどが暖かな温もりを感じる内容であった。

そうして次第に面識もない全国の会員の方々との和が広がっていく。

文章の持つ力ってすごい!と感じるようになった。
何だか新たな武器を手に入れたような高揚感すらあった。

そしてこの力を養う機会が与えられた委員会活動に感謝した。

私がこの時感じたこの一連の達成感こそJEDISが活動目的のひとつとして掲げる「資格をもつ者が共同して自らのイベントに関する知識と技術の向上を図る。」の実感ではなかったかと思う。

その後、調査研究委員会では毎月の定例会議開催を2~3カ月に1回のペースで全国7地域本部を巡り歩く「全国行脚」を敢行する。確か7地域本部を廻るのに2年間を要した。

この行脚を通して、それまで文章のやり取りだけの繋がりから、しっかり顔が見える繋がりへと変化した。

これは私にとって、今でも事務局長としてはもちろん、自分自身のビジネスにも大いに役立つ全国人脈ネットワーク構築の第1歩だったと思う。

そのうち理事にも推薦され、益々人的ネットワークが深まっていく。

何よりも嬉しいのは自分の本来のビジネスでは受発注関係や企画、施工、運営など関わる業務ステータスなどの要因に拒まれて普段顔を合わせることも叶わない方々と利害関係抜きに活動目的達成という志を共有し共に活動できることだ。

そんな横繋がりの場には通常業務だけしていては決して思いも寄らぬようなビジネスが発生することすらあるようである。しかし、それは長年この活動を通して培った信頼感があって初めて成り立つものだろう。

また、この13年の活動の一環として、大学ならびに専門学校の講師という貴重な経験もさせていただいた。

人に教え、育てるということは取りも直さず自身の経験を体系化しその細部まで熟知していなくては決して受講者に伝わる講義などできない。

当初はこの事実に戸惑った。しかし、長年何気なく従事してきた業務というものは知らないうちに自身の血肉となっており、それは体系化してみると膨大な知識の塊となっていたことをこの経験で知ることができた。

これも私にとって大きな財産となった。

現在、私が所属する会社ではこの経験を基に新入社員研修プログラムを構築し、実施中である。

さて、メリットである。何がメリットか?

ここまで述べても「JEDISに加入すればあなたにはこんな特典が付与されます!」とは明確に打ち出すモノは見えてこないのである。

しかし、今この13年間は私にとっては、やはり恩恵としか形容のしようがない・・・・